沢山の累進レンズがある!

という理由

レンズ1枚の面積は限られてます。その限られた中に遠用度数・中間度数・近用度数とたくさんの度数を詰め込み過ぎるとひとつひとつの視野の広さは非常に小さく限られたものとなります。さらにレンズ内に配置する度数の差を大きくすると『収差』という歪みやボヤケを感じる領域が大きくなり、非常に使いづらい視界になってしまいます。
そういう訳で残念ながら「すべての距離が快適に見える累進レンズ」というのは非常に実現困難です。なので『視野をなるべく広く確保する』『収差の発生を極力抑える』ために設計上の制限がどうしてもあるわけです。


大きく度数を変化させると収差の領域は広くなる


度数の変化が小さいと収差の領域も小さくなる

実は従来型の遠近は

遠方重視

だったんです。

最も一般的な遠近両用は『遠方重視型』で最も古くからある累進レンズがこのタイプです。遠方視の際の視野が広く、運転やスポーツなどでのご使用が最適です。
中間・近用度数がレンズのセンターより下方に配置されていますので、レンズ下部の度数の変化が大きくなり、収差の影響で中間から近方の視野がやや狭くなります。
歩く際の違和感が少ないので遠近両用が初めての方や初期の老眼の方におすすめですが、長時間の近見作業、例えば読書やガーデニング、手作業には不向きです。スマホをよくご覧になる方にも少し不向きかも知れません。

従来型の遠方重視の遠近両用の場合、近くを見た時の視野は幾分か狭くなります。(レンズ下方の両端に『収差』が集中。)

  従来型遠近両用(遠方重視)レンズは・・・・

・遠くの視界が広いので運転・映画・観劇などにおすすめ。

・歩いた際の違和感も少ないので初めての方におすすめ。

・近方の視野が狭く感じるので長時間の読書・スマホに不向き。

遠近なんだけど

中間重視タイプ

でもう少し近くを楽に

本来めがねは遠くを見るための道具だったのですが社会が変化する中で遠方視力の重要度もいささか変化していると思います。例えば車の運転に関しても「遠くが見えてもナビが見えにくいのが困る」というお悩みをよく伺います。中間視野を重視するなら後ほど紹介する『中近両用』というのもあるのですが、中近両用では運転が困難です。
従来の遠近両用と中近両用の間くらいの累進レンズがこの中間重視タイプの遠近両用です。遠方の視界はほんのわずか緩く感じますが運転は可能な範囲です。中間視野を少し広く設計することでレンズ上部から下部への度数の移り変わりが緩やかになり、収差の影響が少ない自然な視界になります。
従来の遠近ほど極端に目線を下げなくても中間度数に視線が合わせやすいので「運転の際にナビが見やすい」「お買い物の際に商品の説明が見やすい」「外食の際にレストランのメニューが見やすい」などの利点があります。

中間度数が少し広がり、レンズ上部から下方への度数変化が緩やかになることで遠近特有の違和感を少し緩和。 (『収差』がやや分散。)
従来の遠近よりはPCモニターやタブレットにやや焦点が合わせやすい。

  遠近両用(中間重視タイプ)レンズは・・・・

・従来の遠近両用と中近両用の間の見え方のレンズ。

・極端に目線を下げなくても近くに焦点が合わせやすい。

・お買い物・外食・会食が多い方におすすめ。

・長時間のデスクワークや読書・スマホにやや不向き。

実際遠くってそんなに見てる?

中近両用

でいいじゃん。

PCモニターやスマホ・タブレットを利用する機会が多い方、主に屋内でのお仕事や生活が多い方におすすめなのがこのタイプです。遠方視はおおよそ2mくらいまでです。(レンズ上部に少しだけ遠用度数の領域があるので、あごを引いてレンズの上で見るともう少し遠くが見えます。)
遠方視にこだわらない中間から近用に特化した大胆な設計で従来の遠近と比べて左右の歪みが少なく視野が広いのが特徴です。お車の運転には不向きですが、自転車での移動やお買い物にもご使用できます。最近では中近両用にもバリエーションが増え、従来の中近よりもほんの少しだけ遠くを見えやすくした『ロングタイプ』と左右の視界の広さにこだわった『ワイドタイプ』があります。

中間~近用度数がメインでレンズ上部から下部への度数変化が緩やかで収差が小さく視界も広く感じます。
遠方は焦点があいにくく2m程度先から手元までを見ることが出来ます。

  中近両用レンズは・・・・

・主に屋内での使用に便利なレンズ。

・PCモニターやスマホに焦点が合わせやすい。

・ロングタイプ・ワイドタイプがある。

・遠方視、お車の運転に不向き。

遠近・中近両用

のまとめ

欲張って沢山の度数を1枚のレンズに詰め込むと収差が大きく影響して視界は狭くなります。自分が普段、何をよく見ているのか?何を快適に見たいのか?ご自身の生活を思い浮かべていただくとおのずとピッタリのものが見つかると思います。また度数が人それぞれ違いますから、例えば「メガネを外せば遠くは見える人」は中近をお選びになることが多いですし、逆に「メガネを外せば近くが見える人」は遠近(遠方重視)を選ばれることが多いと思います。
ご来店いただきますとテストレンズで見え方が確認いただけますのでご興味のある方は是非店頭でご相談下さい。

遠近両用

遠方重視

中間重視











中近両用

ロング

ワイド